食品スーパー子会社の再編を発表

食品スーパー再編スケジュールが確定

2018年10月10日の2019/2期上期決算発表と同時に、SM・GMS企業再編のう
ち、食品スーパーの再編スケジュールが開示された。

但し、首都圏エリアやイオンリテールの大半の事業、GMS事業からの非食品部門の分社化など、確定していないことは数多い。また、GMS事業における「イオンスタイルストア」のような新しいビジネスモデルが食品スーパーでは確立しておらず、この点が最大の課題と判断する。

一方、中期計画への期待値が短期的に剥落するとは考えにくく、独自の株主優待制度による個人投資家からの支持や短期業績の安定性を考慮すると、現行株価水準に際立った割高感はないと判断する。

背景:不採算事業の収益改善により短期業績は概ね安定

経営管理のガバナンス体制が強化された結果、不採算事業の収益改善が
進むなど、当社の短期業績は概ね安定して推移している。2018年10月10日
発表の2019/2期上期業績は、上期としては4年連続の営業増益となった。食
品スーパー以外の事業の構造改革のスケジュールや具体策が固まる可能
性に注目する。

注目ポイント: 独自の株主優待制度が株式需給に寄与

株主優待などにより個人投資家からの関心の強い銘柄であり、他の小売企業と
異なる株式需給が発生する可能性に留意したい。

オペレーティングリースを活用するなど、他人資本への依存度が強い点はリスクだが、フローの収益改善が続いている限り、バランスシートリスクが顕在化する可能性は低いと判断する。

 

上場子会社群に対する収益依存度の高さ、GMS・食品スーパー事業の採算の悪さ、
などのマイナス面を配当と豊富な株主優待制度などが下支える点に変化はないと判
断し、レーティングは Neutral を継続する。

期初に宣言していた食品スーパー、GMS 子会社の地域毎での統合を発表したものの、
統合スキームが複数に渡り複雑である事に加え、統合後の業績改善施策の発表はこ
れからである点から、集約化による業績改善は現時点では不透明である。

目標株価 1,900 円は配当利回り 1.8%の水準である。配当利回り 1.8%は、16/2 期(同社がダイエーを100%子会社化)以降の同社の平均値である。

同社の場合、配当利回り以外のバリュエーションの説明力が低い。PER、BPR、ROE などの指標の改善・悪化と同社株価の変動に正の相関がみられない(または逆相関の関係にある)。

従来目標株価 1,900 円は 19/2 期弊社予想配当利回り 1.8%であった。

配当利回り 1.8%は、16/2 期(同社がダイエーを 100%子会社化)以降の同社の平均値である。

株価上昇のカタリストは、

GMS、食品スーパーを取り巻く環境が急速に改善する、
②問題子会社の切り離しを実施するケース、③優良な上場子会社を完全子会社化す
る、など。
株価下落のリスクとしては、①食品価格の下落が始まる、②問題子会社の収益の一
層の悪化、③不採算企業を新規に買収する、など。